神戸青年2002年/9・10月号 目次 <<7月号>> << 5月号 >> << 4月号 >> << 3月号 >>
4月からグランドデザイン策定委員会(藤村洋委員長)によって策定作業を進めてきました「GOAL2011」について中間報告をいたします。 今まで5回の委員会を重ね、来る2011年の社会や神戸YMCAの姿を想像しながら、9年後のゴールを探ってきました。9年後の神戸YMCA125周年の年に神戸YMCAがどのように社会に存在しているべきであるか、「使命」「事業」「組織」「人材」「拠点」「財政」など様々な角度にフォーカスを当て、見えにくい将来に一つの方向性を見出そうと真剣に議論を続けてきました。
特に「私たちの使命は何か」をもう1度問いなおす中で、ゴールの確認がなされました。私たち神戸YMCAは、すべての子どもと若者の「いのち」が光り輝くように守り育てることを第1の使命としたいと考えます。神様から与えられた「いのち」とは生物的に生きていることを問うのではなく、その質や力、輝きを問うのです。中道基夫委員は「いのちが暴力と死によって脅かされているところ、生きる勇気が失われているところ、いのちが乾いているところ、不安によっていのちが萎縮しているところに関わること」と発言されました。
第2の使命は、そのような子どもと若者の「いのち」の輝きのために、あらゆる世代の会員や市民が参画することによって、新しいコミュニティを創出するということです。「新しいコミュニティ」とは何でしょうか。それは単なる地域共同体ということではなく、人間同士の豊かな交わりの中に通う「連帯の場」です。YMCAの活動を共通の場とした「小さなコミュニティ」がだんだん「大きなコミュニティ」に育っていくことが期待されます。
神戸YMCAは特に「子どもと若者」にフォーカスを当て、その「いのち」の輝きにこだわる使命を掲げて、ビジョンを構築しようとしています。具体的な計画については「GOAL2011」を受けて策定を始める第1期3ヵ年計画に盛り込まれることになりますが、再生に向けて始動する神戸YMCA「GOAL2011」にぜひ皆さんもご参画ください。
今年で5回目となる「神戸YMCAチャリティーラン」が、11月7日(日)、しあわせの村で運営委員長・大野勉さん(神戸YMCA国際活動委員・神戸学園都市ワイズメンズクラブメンバー)をはじめとする、多くのボランティアの力を合わせて開催されます。
この大会は皆さんご存知のチャック・ウイルソンさんが提唱し、自らも全国の大会委員長をされて、全国のYMCAで開催しています。「障がいのある子どもたちがYMCAサマーキャンプに参加することを支援する」ことを目的とし、しかもそれを「自らも楽しみつつする」ところに、この大会の新しさがあります。
昨年度は、100チーム257名のランナーと250名余りのボランティアの方々の参加を得、同時に、多くの企業や団体の方々にも協賛や後援をいただき開催することができました。益金約138万円は、神戸YMCAが主催する「情緒障がい児のためのキャンプ」と「学習障がい児のためのキャンプ」、及び、全国のYMCAで行われているキャンプ・プログラム支援に役立てさせていただきました。
今年度は、新たに「小学生駅伝」の部を設け、たくさんの子どもたちと共に「共に生きる社会」「心のふれあい」「ボランティアの心」の輪を広げていければと願っております。
皆さん、変わらぬご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
日本YMCA同盟より、永年のYMCA運動への貢献に感謝して以下の会員の方々が表彰されました。
(50音順・敬称略)
今年も暑い日々の中、渥美清氏の6回目の命日がやってきた。(1996年8月4日没)言うまでもなく「男はつらいよ」シリーズ主人公車寅次郎役で 作品を演じた。人呼んでフーテンの寅
自由人である寅さんが旅先で知り合う人々や故郷の柴又の昔からの友人・知人・親戚など様々な人々との人情味あふれるふれあいを描いた作品だ。夏と正月に懐かしい渥美寅さんにまた会える気がしてならない
寅さんはどんなに遠くても病人などは気遣ってすぐ駆けつけたり、ある日突然故郷柴又のおじ・おば・異母妹さくらに旅先から便りを出す。日々企業や社会的しがらみに束縛されている者にとっては、うらやましいばかりである
このシリーズ生みの親で豊中市生まれの山田洋次監督が、回想座談の席で以下のように映画の設定を述べている
「寅さんの実家は、昔ながら部屋はふすまで仕切り、声はつつ抜け。家族が今どこの部屋で何をしているか念頭に置いて暮らさなければならない。悪口は小声で言うが、聞かせたい事はわざと大声を出す。直接言いにくい事を間接的に伝えるといった繊細なルールを守りながら暮らす
現代は仕切りドアを多用し、面倒なルールを排除した。合理的な生活が、暮らしのルールという『文化』を消してしまったことになる。」と
日本のみならず中東では、イスラエルとパレスチナが暮らしのルールを模索している昨今ではないだろうか。
(山野和彦)
近年、子供の体力・運動能力の低下、スポーツの過度の競技志向による激しい練習が原因のけが・燃え尽き症候群などが問題になっています。YMCAは以前より子どもたちのスポーツを通しての健全な育成を目指し、ユーススポーツのファイブゴールを提唱し、指導を行ってきました。
今回はユーススポーツの特集とし、指導者の視点、保護者の声を取り上げ、YMCAユーススポーツの目指すものを今一度考えてみました。
7月14日、三田YMCAのサッカー・フェスティバルに参加しました。同じ学校の人が少ない中、大勢に混ざってボールを足で運びながら、淡々と試合と競技を行ったり来たりしています。1年生のころのふだんの練習では、勝ち負けに拘泥したり、誰かのきついことばを気にしたりしていて、心配したこともありました。今はそんなハードルをひとつ越えたところです。試合で走り回ってボールを追いかけた後、チームメイトと肩を並べて話しながら戻ってくる姿を見て、いい光景だなと思いました。初めて会ったお子さんと、そんなふうにサッカーを介してよい時間を共有できることが尊く思われます。
「団体競技の方が向いているのかもしれない。」と最近父親が申しました。子どもは将来、どんな仕事や社会活動に携わっていくかわかりません。今サッカーに励む中で、自分の技術を磨くことも大事ですが、周囲と競争して自分ひとりが獲得したものより、大勢の中で自分の力が生きた実感を、大切に積み重ねていってほしいと思っています。
ひとりひとりが違うことをそのまま受け入れ、子どもを主役に導いてくださるリーダーの皆様に心から感謝しております。
(北区藤原台・小2 母)
YMCAウエルネス委員・兵庫県ミニバスケット連盟理事長 小田和博
スポーツの楽しさ、面白さは、記録や他の人、他のチームとあるルールの範囲で優劣を競い合い、そのために工夫し、努力し合うことだと思います。
スポーツゲームの場面は、私達が住んでいる社会の縮図だとよく言われます。ある人が良いプレーをし、賞賛の拍手をうけたり、失敗したときにチーム仲間の励ましで立ち直り、新たな意欲を持ったり、反則をしてファールをとられたり、時には退場させられたりします。私たちはいろいろな場面を通して、生きてゆく方法を学んでいるのかも知れません。
好きで始めたスポーツが正しい指導を受けられずに、ケガをして、選手生命を棒にふったり、嫌いになってしまったような例が、私たちの周りに数多くあります。
YMCAでは、1人のスーパースターを育てるのではなく、100人がその人の生涯にわたってスポーツを楽しみ、その輪を拡げるそういう人たちを育てたいと考えています。
また、ユーススポーツは、それぞれのスポーツの起源・理念・指導体系に基づいて、少年への新しい価値教育・人間教育のプログラムとして取り上げています。プレイヤー、コーチ、リーダーも保護者も一体になってプレイを盛り立てていくことを理想としています。
西神戸地域活動センター・須磨YMCA サッカー教室講師 小笠原としみ
「サッカーはおもしろい!」「サッカーは楽しい!」と感じて欲しいと思いながら、日々こどもたちに接しています。
「好きこそものの上手なれ。」ということわざがありますが、まさにその通り!興味が出てきた子は上達するのも早いです。その興味が心のうちから沸き出るようにする為に、出来たことは大いに心より賞賛し、出来なかったことはアドバイスをするようにしています。誉められていやな顔をする子はいません。楽しそうに繰り返し練習しています。1つのことに関心が向けられたことによって、自信がつき、他の事にもやる気が出来てきます。
子どもたちには練習の中ですぐに「試合しよ!」と言いますが、ミニゲームはとても重要です。自分で考え判断してプレーをしながら、チームプレーを育む、大事な場面であるからです。
また、クラスの中で子ども同士で話し合いをするように導いています。そこで、当事者でない子も一緒に考え、悩み、いろんな気持ちに気付いて欲しいと考えるからです。
最後に、YMCAは子どもたちにとって成長の出発点、通過点であり、ここで身につけた技術・自信ややる気、思いやり等を財産にし、健全な青少年として成長し巣立って欲しいと願っています。
心のページ めくるたび 青い日の私
心の汗 時に流れる
勝つためだけに生きてたわけじゃない
勝つことだけが目的じゃなかった
このことだけは、必ずいえること
スポーツ
「今・ここ」
生きている実感
が沸き起こる
わたしの心・身体・感情・魂・・・・
「わたし」がひとつになる
軌跡、奇跡、わたしという不思議が生きていることを
教えてくれた
すんふぁ(韓 承花)
第一電子株式会社、株式会社井上油店、株式会社飛鳥建築、共栄印刷株式会社、菱三印刷株式会社、上島コーヒー株式会社、石原アメニテック株式会社、有限会社川本乳業、神戸キリスト教書店、株式会社ウノフク、株式会社つるや衣装店、兵庫トヨタ自動車株式会社、三ツ星ベルト株式会社、三神工業株式会社、株式会社白洋舎神戸支店、白鶴酒造株式会社、社会福祉法人光朔会オリンピア、兵庫ゼロックス株式会社、ピーチアンドブロッサム、株式会社兵庫こどものとも社、有限会社クレセントインターナショナル、不二熱学サービス株式会社、株式会社有馬芳香堂、株式会社山田工務店、有限会社わかばやし印刷、旭石油株式会社、株式会社損害保険ジャパン、株式会社ファミリア、株式会社サンビルダー、株式会社神戸新聞社、株式会社ウイング、株式会社ジャパン・リリーフ、株式会社エイプルジャパン、株式会社竹中工務店神戸支店、株式会社三井住友銀行、神戸ポートピアホテル、有限会社稲岡印刷所、イワタ事務機株式会社2002年6月11日〜8月20日(敬称略、順不同)
7月の末にアメリカ・シアトルを訪ねる機会が与えられました。神戸市とシアトル市の姉妹都市締結45周年記念式典があり、矢田立郎神戸市長ら市関係者、市議会、婦人団体の方々と共に出席させていただきました。
その席で、私は不思議な体験をしました。神戸市側は市の職員の方々が額に汗して走ってくださっていたのですが、シアトル市側はニクルス市長の姿は見られたものの、市職員らしき人がいないのです。走り回っている人たちは「姉妹都市協会」というボランティア団体のスタッフばかりでした。記念レセプションでも、トップで挨拶に立ったのは「協会」のボランティア理事長。(両市長は事前の写真展オープニングで挨拶をされていましたが…)そして、両市長の挨拶もないままに、次に紹介されたのが、姉妹都市提携の実りの証としての「シアトルYMCAと神戸YMCA」だったのです。36年に及ぶ高校生交換プログラムや指導者養成、異文化交流プログラムなど、両YMCAの交流の実を紹介するためにシアトルYMCAのトム・ホースレイ副総主事と私がステージに立ち挨拶をいたしました。
政府や行政に頼らず、市民団体やボランティアが社会を支えているアメリカらしい進行の仕方に今更ながら驚かされた次第です。
数多い方々と名刺交換した中で、ニクルス・シアトル市長を除いてはシアトル市職員の方と出会わなかった、こんな式典も珍しい、と奇妙でさわやかな感激を味あわせていただきました。夏のシアトルのどこまでも青く澄んだ空の印象と共に…。
(総主事 水野雄二)
神戸YMCAは、ホームペルパーの養成や、派遣の業務も行っています。
今回は、三宮会館の一階(三宮ブランチ内)に事務所があります「YMCAホームヘルパーの事務所」からお送りします。
日本は2015年には人口の4/1が65歳以上の超高齢社会になるといわれています。
大家族でおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、そして僕、お姉ちゃん、妹といった一つ屋根の下で一緒に暮らすスタイルから核家族化が急速に進んできました。若夫婦・若家族だけで所帯をもち、都会の中で高齢になられたご夫婦だけで暮らしておられる、そんなスタイルも増えてきています。
YMCAホームヘルパーの事務所では様々な家族(家庭)にヘルパーが伺わせていただいています。そこではご利用者様を手伝ってあげると言うのではなく、お手伝いをさせていただき、逆に色々なことを学ばせていただく機会となっています。
高齢のご夫婦だけで暮らしておられるAさんのお宅でヘルパーが活動させていただくことになりました。夫人が介護を必要とされ、Aさんが介護に1日のほとんどをあてておられます。もちろんお二人につながるご家族の方々もお手伝いされていますが、やはり介護の中心はAさんです。
でもその時間が長くなるにつれ、少しの休憩が必要な時も出てきます。そんな時事務所に連絡があり、週2回2時間ずつの活動をヘルパーがさせていただくことになりました。
Aさんから今までの介護の方法をヘルパーが教えていただきながらスタートし、少しずつ夫人とヘルパーの二人で時間を過ごすようになりました。当初はAさんも気になっていたヘルパーの活動ですが、少しずつご安心いただき、ヘルパーの訪問させていただく時間は買い物やご自分のための時間に充てられるようになりました。
今Aさんがおっしゃるには、『週2回計4時間の自分の時間が与えられることにより、また家内に新鮮な気持ちで接することが出来る。』本当にうらやましいご夫婦です。
ヘルパーはたとえ週5日、6日とご利用者様宅で活動することとなっても、家族にはなれませんし、家族の代わりになることもできません。でも高齢者が高齢者を看ることが増え、介護疲れからの痛ましい事件を耳にするたびに、家族の方が関わっておられる
時間の内ほんの2時間でもヘルパーが訪問させていただくことによってリフレッシュし、また家族としてのきずなが深まるのではないかと考えます。そんなお手伝いをさせていただくことができれば何よりです。
今日もYMCAのヘルパーは様々なご家族の言葉を受け、活動に励んでいます。
現在のホテルフロントは30年間親しまれた |
神戸YMCAホテルの発祥は1934年、中央区下山手通にあった同会館内の寄宿舎空き室を、外国からの旅行者に開放したのが最初で、2年後に寄宿舎の一部を「ホステル」とし、国内外の青年らを受け入れるようになりました。
会館は戦災で焼失しましたが、戦後、同区中山手通に再建された会館でも引き続き営業しました。現在のホテルは、1972年にオープンした"3代目"で、ウエルネスセンターやカレッジがある三宮会館の5階建てビルの最上階部分にあります。シングル、ダブル合わせて14室の小規模ホテルでした。
阪神・淡路大震災では、被害が比較的軽微だったため被災者の避難所や、ボランティアの宿泊場所としても活用しました。
シングルが朝食付きで5,700円の安価で、大学受験や旅行で神戸を訪れる若者のほか海外からの長期滞在者にも安心して泊まれる宿として人気でした。又サッカー・ワールドカップの期間中も多くのサポーターが利用し、ピーク時には年間約5,000人、最近も約4,000人が利用していました。
しかし、ここ数年、神戸市内には同じような料金で宿泊できるビジネスホテルが相次ぎオープンし、昔と違い国内外の若者が利用しやすい施設が増え、ホテルとしての役割を終えたと判断し営業終了を決めました。
一方で、神戸YMCA学院専門学校のホテル学科・フィットネス&スポーツ学科の学生数増加と、各国留学生の日本語学習のニーズなどが高まり、教室や会議室、図書室などのスペースが必要となってまいりました。ホテル客室部分は改装し、今後ははそうした「学びの場」として活用する方針です。
なお、ホテル部門が管理しておりましたチャペルでの結婚式は、引き続きお受けしていますので、結婚式ご希望の方は是非お問い合わせ下さい。(TEL:078−241−7237)
8/4〜8/15オーストラリア異文化スタディーツアー | 7/9 第3回平和を創り出す集会 |
8/18〜8/19 幼児キャンプ | 7/13宮田満雄前理事長と山口徹前総主事感謝会 |
7/14ヨット&バーベキュー | 7/19日本語夏期集中 納涼大会 |
専門学校ホテル学科 ホテル実習 | 7/22〜8/2 シアトルユースエクスチェンジ |
水泳競技結果(神戸YMCA大会新記録分)(敬称略)
男子100m自由形 (9・10才) 坂本清一郎 1分14秒221位 |
松村 栄子さん(まつむらえいこ)中3
ウエルネス三宮メンバー スイミングチーム所属
9月21日〜24日高知国体
前理事長宮田満雄さん・前総主事山口徹さん
よりチャペル備え付け用「讃美歌21」 30冊
山本 雅彦さん
2002年6月21日〜8月20日
(敬称略)