神戸YMCAは、すべての活動を通して「YMCAの願い」にあらわされた大切なことの実現をめざしています。秋はYMCA国際協力募金の季節、また11月には「世界YMCA/YWCA合同祈祷週」を迎えます。今号では今年の祈祷週テーマ「何よりも大切な子どもたち」と、「願い」の中で「世界と地球」をテーマとしている部分とをとりあげ、考えます。
聖 書 に 聞 く
「子どもを私のところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」
(マルコによる福音書10章14節)
YMCAの成り立ち
YMCAは、地域の若者たちがさまざまな課題の中で、自分たちのより良い生き方を求めて、いっしょに考え、行動していこうとして自ら設立した団体です。世界で最初のロンドンYMCAはロンドンの若者たちがつくりましたし(1844年)、神戸YMCAは神戸の若者たちがつくりました(1886年)。
世界122の国と地域にあるYMCAは、ほとんどこのように地域の若者主導で設立され、その地域の人たちの運営で地域に根づいた働きを展開しています。
こうした成り立ちを持つYMCAを、コミュニティのNGO(Community Based Organization)と呼ぶこともあります。世界と地球を見つめ、考え、行動するときに「足元」を大事にするゆえんです。
YMCAの国際協力
このように、もともとYMCAはその国と地域にあってその地固有の課題にもとづいた働きを展開していますから、その意味ではYMCAごとに必要とされる働きは異なるかも知れません。ただし、変わらないことがあります。それは、世界中どこのYMCAも「人の育ち(いのち)に関わる」ために働いている、という点です。
そして、経済的に貧困な地域でも、災害や紛争に見舞われた地域でも、そこにあるYMCAはさまざまな教育的な支援活動を通してこの同じ「人を育てる」という願いを実現しようと努力しています。こうした困難な地での「育てる」働きを、世界中で支え合おうとして展開されているのが、YMCA国際協力募金なのです。
大切な子どもたち
今年のYMCA/YWCA世界合同祈祷週のテーマは「子どもたち」にフォーカスをあてています。「いのち」「成長」に関わるYMCAがもっとも大切にしなければならない、子どもたち。「世界」や「地球」を見つめ考え、行動するとき、もっともその視野に入れていなければいけない、子どもたち。なぜなら、さまざまな問題に対して一番深刻な影響を受けやすいのが、子どもたちだからです。
一方で「YMCAの願い」を読んでいただくと分かるのは「YMCAが」ではなく、主役はYMCAに集う一人ひとりであり、子どもたち自身でもある、という視点でしょう。子どもたちを問題から守らなければいけないのと同時に、子どもたちが自らを守り自ら学び、自らを育てることが出来るようサポートする(仕える)のがYMCAの使命だという理解がそこにあります。
神戸YMCAでは、この秋、世界の子どもたちを覚えて祈りを合わせたり、国際協力募金運動を展開したり、さまざまな機会をもうけます。何より神戸YMCAに集う子どもたちと一緒にそれらのことが出来たらと願っています。
祈り
「神さま。小さな、そしてより小さくされている子どもたちこそ大事だと、あなたが示されたことを、常に覚えさせてください。私自身も小さな一人として。アーメン」
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YMCAの願い
YMCAでは活動をとおして次のことを学びます。
「自分のいのちとみんなのいのちを大切にすること」
「家族、地域のひとりとして責任があること」
「世界と地球を見つめ、
考え、行動すること」
「ボランティア精神とリーダーシップを身につけること」
「すこやかな心とからだを育むこと」
YMCAでは、これらを実現するために、
「思いやり」「誠実さ」「尊敬心」「責任感」を
すべての場面で大切にしています。 |
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ジョクジャカルタワークキャンプ(2007年9月) |
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