神戸青年

 神戸青年 2005.9・10月号 目次

  1. 第8回神戸YMCAチャリティーランのご案内
  2. 戦後60年記念 平和を創るキャンペーンご案内
  3. 省 察
  4. 特集! 神戸YMCA学院専門学校って、どんなところ?
  5. Peace Handkerchief Workshop
  6. 感 謝
  7. ソナタ 奏鳴曲 No.19「もったいない」総主事 水野雄二
  8. 「格差社会をどう生きる 希望をイメージ出来ますか」
  9. 神戸YMCAは戦後60年間、何をめざし、何を行ってきたのか?
  10. フォトトピックス 2005年 夏のアルバム
  11. キャラクターディベロプメントシリーズ 13
  12. ゴスペル&パイプオルガン 平和を実現するコンサート
  13. 第13回チャリティーゴルフのご案内

1. 第8回神戸YMCAチャリティーランのご案内

心身に障がいのある子どもたちのために 今年もみんなでチャリティラン!

 今年で8回目となる「神戸YMCAチャリティーラン」が、11月3日(祝)、しあわせの村(神戸市北区)で、実行委員長の大野勉さん(神戸YMCA国際活動委員・神戸ポートワイズメンズクラブメンバー)をはじめ、多くのボランティアの力を合わせて開催されます。 

 この大会は、皆さんご存知のチャック・ウイルソンさんが提唱し、ご自身も全国の大会委員長を務められているもので、全国各地のYMCAでも開催されています。障がいのある子どもたちや青年たちが、YMCAサマーキャンプに参加できるよう支援をすることを目的としていますが、競技の他に、ワイズメンズクラブやボランティアリーダー会をはじめ、多くのボランティアによる出店コーナーや音楽演奏もあり、競技参加者だけでなく関わる人すべてが楽しめるところに、この大会のユニークさがあります。
  昨年度は、小学生駅伝、ペアラン、グループラン、駅伝を行い、162組619名の参加者、400名のボランティアの協力と、同時、に多くの企業や団体の方々にも協賛や後援をいただき、開催することが出来ました。

益金は神戸YMCAが主催する「情緒障がい児・者のためのキャンプ」と「学習障がい児・者のためのキャンプ」、及び全国のYMCAで行われるキャンププログラム支援に役立たせていただきました。
  今年度も、小学生駅伝を設け、たくさんの子どもたちと共に「共に生きる社会」「心のふれあい」「ボランティアの心」の輪を広げていければと願っております。皆様の温かいご支援とご協力をよろしくお願いいたします。

と き:2005年11月3日(祝)
ところ:しあわせの村ジョギングコース
受 付:午前9時開始
【プログラム】
A 小学生駅伝  4年・5年・6年の部
  それぞれが、男子2名・女子2名4名1組のタイムレース
B グループラン 1チーム原則5名以内のグループ 
  2.2km 宣言タイムレース
C ペアラン   2名1組 3.2km 宣言タイムレース
D 駅伝(一般) 4名1組 1名3.2km タイムレース
E 駅伝(女子) 4名1組 1名3.2km タイムレース
【スタート】
A 6年生=10:00 5年生=10:30  4年生=11:00
B・C 11:35
D・E 12:25
【参加費】
A   1チーム  2,000円
B・C 1チーム  5,000円
D・E 1チーム 10,000円
【お問い合わせ・お申し込み】
神戸YMCAチャリティーラン事務局
Tel 078−241−7201 または各YMCAまで

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2. 【戦後60年記念 平和を創るキャンペーン】ご案内

@ 「平和のハンカチ・プロジェクト」
【募集期間】7/1〜9/30【内容】あなたの平和のイメージをハンカチに描いて、
神戸YMCAへ送ってください
集まったハンカチを繋ぎ合わせて大きなキルトを創ります
A「平和の絵本ワークショップ」
【日時】10月23日(日)14:00〜14:30(予定)
【場所】神戸YMCA三宮会館バザー会場
【内容】絵本をとおして平和を考えるワークショップです
【対象】お一人でも、お子様とご一緒でもどうぞ
【講師】ロニー・アレキサンダーさん 【費用】無料 ただしバザー入場料として200円要
B 「常設展 V 未来を奪う、劣化ウラン弾」
【期間】9/5〜10/8(予定、日・祝を除く10:00〜20:00)
C 「常設展 W 平和憲法」(仮題)
【期間】10/17〜11/26(予定、日・祝を除く10:00〜20:00)
BCいずれも【会場】神戸YMCA三宮会館1階ロビー入場無料
【企画制作】神戸YMCA国際ボランティア会

【問合先】@〜Cいずれも神戸YMCA総合企画室 担当:遠藤、藤井
Tel: 078-241-7201 FAX: 078-241-7479
【E-mail】 info@kobeymca.or.jp


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3. 省察

 今年も暑い夏がやって来た。テレビでは朝から高校野球の熱戦が放送され、白球を追う球児の姿が映し出されている。又一方では終戦記念日に因んで戦争の悲惨さを伝える番組も多い。あまりにもかけ離れたこの二つのシーンに平和の尊さを感じさせられるのが「日本の夏」である◆私は終戦の年、未だ9才の少年だった。それでも、ささやかな戦争体験を持っている。当時、JR西宮駅の近くに住んでいたが、小2の頃から空襲が始まったと思う。警戒警報、空襲警報、召集令状、対空砲火、艦載機、機銃掃射、B-29、集団疎開等々、今の小学生には理解出来ない言葉が日常的に飛び交っていた◆そして私も疎開組だった。小2の秋から学年全体が集団疎開となったので、私はクラスと離れて一人で奈良県吉野郡の田舎にある伯母の元に預けられた。その家には子どもが居なかったので六人兄弟の真ン中で育った私には本当に淋しい毎日だった。そんな中で、親兄弟のこと、実家の空襲の心配、一人で生き残ったらどうしよう、そんなことばかり考えていた。そしてよく夢に出てきたのが、空襲で全壊した実家の瓦礫の中で一人ポツンと立っている自分の姿だった◆今、我が家では孫の賑やかな声が響いている。余島のキャンプ場でも子ども達が歓声を挙げているだろう。この幸せが永久に続くことを祈りたい。(吉田 明)


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4. 特集! 世界で通用する力を、キミへ。 神戸YMCA学院専門学校って、どんなところ?

神戸YMCA学院専門学校は、東京オリンピックが開催された1964年に日本ホテル協会兵庫県支部からの要請を受けて設立した「神戸YMCA国際ホテル専門学校」をそのルーツとしています。
1976年、専修学校制度が発足、1995年には専修学校修了者に「専門士」の称号が与えられると共に、大学3年次編入の道も開けました。文部科学省は専修学校教育のさらなる充実について検討を重ねており、一定条件を満たす四年制の専修学校修了者には「高度専門士」の称号を付与し、大学院入学資格が与えられる見通しです。
  今回は、神戸YMCA学院専門学校の3学科の特徴と卒業生や在校生の紹介をさせて頂きます。

1 インターナショナル コミュニケーション学科
  従来の英語学科の流れを汲む学科です。2006年度より「英語・留学・情報コース」(高卒以上)と「ビジネスコース」(短大卒以上1年制)のふたつのコースを新設しました。カリキュラムの特徴としては、ネイティブによる少人数の会話クラスや海外への短期留学などが挙げられます。目標としては学問としての英語ではなく、実用的、実践的なコミュニケーションの道具としての英語を身につける事を考え、英検やTOEICなどへも積極的に挑戦していきます。

《卒業生紹介》 藤塚順子さん 2001年度卒業(啓明女学院高等学校出身)
  現在、外国人のお客様の多い「ベイシェラトンホテル&タワーズ」でベルガールの仕事をしながら、YMCAで英語講師の仕事をしています。在学中は語学だけでなく、海外研修で海外の文化や価値観の違いを感じることができました。

2 ホテル学科
  今年で 年を迎える、関西で最も歴史のあるホテル専門学校です。卒業生にはウェスティンホテル大阪総支配人の藤本信一郎氏、新神戸オリエンタルホテル、レストラン・宴会統括部長の海老直人氏をはじめ、多くの卒業生が関西のホテルを中心に活躍されています。
  カリキュラムの特徴としては、卒業生を中心に現場で働くプロフェッショナルが講義を受け持っていることや、2年間で約5ヶ月のホテル・インターンシップがあり、生きたサービスを体験によって学べることです。「ホテルスタッフコース」、「ブライダルコース」、また「専修科(短大卒以上・1年制)」が選択できます。

《卒業生紹介》 中上奈保さん 2004年度卒業 (兵庫県播磨高等学校出身)
  夏は軽井沢のホテルマロード、冬はニューオータニ神戸ハーバーランドで実習させて頂き、現在ニューオータニに勤務しています。学校で学んだことと実習で経験したことを生かしてがんばっています。

3 フィットネス&スポーツ学科
  バスケットボールやバレーボールを生み出し、メジャースポーツとして普及させたYMCAです。その指導者育成ノウハウを専門学校に凝縮いたしました。カリキュラムの特徴としては隣接するウエルネスセンターの施設を活用して水泳、ウエイトトレーニング、エアロビクス、球技などの実技授業が豊富なことが挙げられます。また整形外科医、トレーナー、柔道整復士などのプロフェッショナルが指導していることも特徴のひとつです。コースには「フィットネストレーナー」、「スイミングインストラクター」、「キッズスポーツ」、「マリンスポーツ」の4つがあります。

《在校生紹介》 渋谷めぐみさん 2005年度入学(県立鈴蘭台西高等学校出身)
  小さい頃からスポーツの指導者になることが夢でした。高校で行われた進路説明会でYMCAの事を知り、体験入学への参加を経て入学しました。夢を実現するため勉強し楽しいクラスメイトに囲まれ、充実した毎日を過ごしています。
時代を見つめ、時代を超えて日本では少子化が進み、 歳人口が減少する中「2007年大学全入時代」が間近に迫っています。しかし、若者を取り巻く環境は、不況、リストラ、就職難、終身雇用の崩壊、成果主義の導入、外資系企業の参入など厳しいものがあります。しっかり勉強して、いい大学に入って、大きな企業に就職して、一生その会社で勤めて、家族、車、家、その他多くの財を所有し、老後は年金で悠々自適の生活を過ごすという「勝利の方程式」は無惨にも崩れようとしているのかもしれません。
  できるだけ多くの所得を得て、多くの物を持つことが「幸せ」であるという価値観から脱却し、自分自身の能力を隣人や社会の為に役立て、まさしく「天に宝を積む」ような充実した人生を送るための準備をし、「若者のいのちが光り輝く」ような充実した2年間を過ごして頂けるよう、神戸YMCA学院専門学校ではお手伝いしてゆきたいと願っています。
  学校の詳細はホームページhttp://kbym.jpでご覧ください。


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5. Peace Handkerchief Workshop -Thinking and working for Peace-

神戸YMCAでは現在「戦後60年平和を創るキャンペーン」を行っています。その一環として、「平和って何?」「平和って、なぜ取り上げなければならないの?」を考えるワークショップを行います。
  ワークショップは英語で行われますが、英語が苦手でも興味のある方ならどなたでもご参加していただけます。ワークの最後に平和のハンカチ作りをしますので、ハンカチもしくはそれに代わるものをお持ちください。
◆日時:2005年9月17日(土) 午後2時〜3時半
◆講師:Ronni Alexander<ロニー アレキサンダー>先生 (神戸大学大学院国際協力研究科教授、神戸YMCA国際活動委員)
◆内容:小グループによるディスカッションや作業を通して「私から始まる平和」を考える。
◆場所:神戸YMCA三宮会館1階チャペル
◆定員:50名
◆参加費:無料
◆持ち物:ハンカチか、それにかわる物1枚
◆お申込:神戸YMCAランゲージセンターまで
  Tel、FaxまたはE-mailにてどうぞ。
TEL 078-241-7204 FAX 078-241-3619
E-mail info@kobeymca.or.jp


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6. 感   謝

神戸YMCA賛助会

有限会社クレセントインターナショナル、株式会社神戸新聞社、神戸ポートピアホテル、株式会社ファミリア、菱三印刷株式会社、株式会社つるや衣裳店、有限会社イースター式典社、株式会社エフエルエス、神戸信用金庫、第一電子株式会社、石原アメニテック株式会社、ウイングジャパン株式会社、旭石油株式会社、株式会社A&D設計企画、株式会社神戸A月堂、白鶴酒造株式会社、株式会社ウイング、兵庫ゼロックス株式会社 (敬称略・順不同、2005年6月24日〜8月24日)

第8回チャリティーワイン

石原剛、井出富美子、大久保忠彦、大久保淑子、大島以知彦、大伴晴代、大平光江、小川直子、神野敬子、加茂周治、加茂眞喜子、高下光代、合田純二、合田洋子、坂口武司、杉本隆人、谷口綾子、佃治子、津村尚、津村信子、鄭源起、鄭永子、中島紀厚、中村美紀、西尾卓、橋本和子、橋本正晴、馬場清子、馬場金司、M浩一、藤崎満子、古川於兎彦、堀岩夫、丸山裕明、丸山美巴、丸山悦治、安行暁子、安行英文、山口徹、山本良子、吉田明、吉田早苗 (敬称略・順不同、2005年6月24日〜8月24日)



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7. ソナタ 奏鳴曲 No.19 「もったいない」 総主事 水野雄二

総主事 水野雄二

 2004年ノーベル平和賞受賞者でケニア共和国環境副大臣のワンガリ・マータイさんが日本で「MOTTAINAI(もったいない)」という言葉を見つけて、その意味に深く感激したということが話題になりました。ケニアでの木を植えるグリーンベルト運動が評価され平和賞を受賞されたこの人が、「もったいない」という言葉の中に、資源の無駄遣いをなくし、使えるものは再利用し、そうでないものはリサイクルしてきた日本人の習慣を感じ取ったのです。しかし、現代に生きる日本人は今や「もったいない」という意識は薄れて、なんでも使い捨てていますし、環境破壊に一役も二役も買っているように思えます。
  今年、阪神淡路大震災10年で問われたことの中に、震災体験は戦後の日本で「経済優先、便利さ優先、物質的幸福」を求めた私たちへの警鐘ではなかったかという反省がありました。震災に襲われた神戸では、人間がより原始的で人間的な生活を送るためには、何が必要で、また何がなくても良いのかという判断が自然に求められました。そこでは「もったいない」が復活したのです。そして、YMCAはキャンプというプログラムに、この原始的で人間的な生活を学んできたのではなかったでしょうか。
  「もったい」とは「勿体=物体」であり、「もったいない」とはそもそも物の本体を失うことだそうですが、同時に、それを得るために費やした努力や時間など、せっかく積み重ねてきた労苦を無駄にすることへの哀しみがあります。「もったいない」という言葉に込められた人間の労苦への感謝と尊敬の思いまでが、現代社会に薄れてしまっていることが残念です。
震災10年に、もう一度、「もったいない」を思い起こしてみたいものです。


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8. 講演会報告  「格差社会をどう生きる  希望をイメージ出来ますか」
山田昌弘さん(東京学芸大学教授)

 7月22日、東京学芸大学の山田昌弘さんをお招きして、「格差社会をどう生きる 」というテーマで、講演会が催されました。
  先生は「パラサイトシングル」という流行語を生み出した方としても有名です。今の日本が抱える構造的な問題を取り上げ、その原因をわかりやすく説明していただきました。

 〜以下、講演会でのお話より〜

  90年代後半から若者の失業、フリーター化、ひきこもり、ニートなどの問題が表面化してきました。その背景には生活の将来見通しが立たなくなり、希望を失う人が一気に増えたことがあります。いまの時代は、努力をした人全員が報われる保証がない社会構造になっています。そのため「努力をしない」人が増えたり、「努力そのものを回避する」人が増えてきました。将来に対する希望を持たず、失望というリスクを事前に回避するために、「勉強しない」「仕事につかない」、さらには「結婚しない」という若者が増えているのです。 また、若年層だけではなく中高年層でも希望を失っている人は着実に増えています。
  今後、効率優先の社会ではなく、人の努力を正当に評価するような社会の実現が待ち望まれますが、まずは、この社会を「どうしていくか」ではなく、「どう生きていくか」という視点に立って、自分なりに考えていかなければなりません。

 YMCAとしてこの問題をどう考えていくのか「宿題」を与えられた思いがしました。(編集委員)


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9. 神戸YMCAは戦後60年間、何をめざし、何を行ってきたのか?

めんばあずレポート 1

 今号から、会員の方やボランティアの方がインタビューや講演会などの原稿を書いてくださる「めんばあずレポート」のコーナーをスタートさせます。 初代「めんばあずレポーター」は、藤井正子さん。三田センターのサッカーメンバーのお母さんで、自らさまざまなYMCA活動でボランティアとしてご活躍中です。 今回は、今井鎮雄さん(神戸YMCA顧問)へのインタビューを敢行していただきました。神戸YMCAが戦後60年間、何をめざしてきたのかーお話しは約2時間、熱のこもったものになりました。

 今回、今井鎮雄顧問(1963年〜1983年 総主事)にお目にかかり、お話を伺う機会を得た。今井さんはさまざまな要職や講義でご多忙である。貴重な時間を拝借し、神戸YMCAが一貫して大切にしているもの、プログラムを通じて目指しているものを、主事に着任された終戦直後にさかのぼり改めて伺った。
  今井さんには手漕ぎボートで余島を発見したという『伝説』がある。そのことをまずお尋ねした。
「戦後間もない頃、YMCA活動の場は神戸教会の地下室という限られた空間だったから、子どもたちを野外に連れ出したいという気持ちが強かった。自治体に打診したりあちこち歩くがよい場所が見つからない。あるとき関西汽船で小豆島に渡った。朝3時に着いて夜明けまで岩の上で仮眠し、バスで島を回った。観海楼という旅館の向こう側に小島を見つけ、ボートを借りて漕いで渡った。それが余島だった。旅館の人も訝しく思うようであったが、訳を話すと旅館の社長も先代もYMCAでの活動歴があり、地所の持ち主の快諾も得て、キャンプがスタートすることになった。」
  余島発見のいきさつを伺ってから、そこで始めたプログラムの内容について教えていただいた。
「キャンプというとサバイバルと連想されがちだが、私たちのキャンプは、日常から離れた別の環境の中で分かち合い、信頼しあい、積極的に人に関わっていく心を育むというものだ。さまざまな活動を通して精神的な発達に焦点をあてている。これは戦後すぐ米国で受けた研修で学んだことが大きい。進歩主義教育(なしつつ学ぶ)というコンセプトは、当時そして今日においても、先進的だ。参加者一人ひとりのカルテをもとに個人に焦点をあてた活動を、専門スタッフとリーダーたちの協力体制で日々工夫していく。プログラムを作る側はいつも柔軟かつ真剣である」。
「戦争の不条理を体験した当時の人々は、目の前の会員に向かうだけでなく、人と人が共に生きていくこと、日本をよい社会に復興していくこと、といった大きな課題を自覚していた。子どもたちが誠実に親身に人と関わっていく責任感ある大人に育つこと。そうした教育の意義がとても重い意味を持っていた。そのことは、モノの溢れる60年後の現代においても変わらない。」
  ここでずっと疑問に思っていたことを尋ねてみた。私の子どもはYMCAでサッカーを続けている。キャンプと違い、スポーツには勝ち負けがつきものだ。スポーツでの厳しい勝負と、優しさとか友情といったものは共存するのだろうか。それについても、今井さんは明快な回答をくださった。
「レクリエーションは人間の本能的な欲求に根ざしており、闘争心や表現の欲求が、スポーツや芸術となって満たされ花開く。サッカーやバスケットボールをする子どもの興味は競技を楽しむこと、上手になることだが、練習の過程をキャンプと同じように人間形成の一助とし、新しい自分を確立していくプロセスにもっていくのが、ディレクターとリーダーの役目である。仲間と分かち合いたいという欲求も、闘争し勝ちたいという本能も、良い悪いでなく人間に生来備わったものだから、勝つことを目指して必死に打ち込んでこそ心が育てられ、スポーツの文化としての価値がある。激しい闘いの後勝敗によらず互いの健闘をたたえる、それが本当の友情を生むのだ。」
  加えて次のようなとてもいいお話を伺った。
「余島キャンプで身体に障がいを持つ子どもとサッカーをする。右足の不自由な子は最初左足を軸足にしてボールを蹴り、転ばないよう大事をとっている。ただそれだと弱いキックしか出来ない。次第に勝ちたい、もっと強く蹴りたい欲求が高まると、最初は無茶だと受け身だった子どもがリーダーの声にも励まされ、何くそという気持ちでいつしか弱い右足を軸足に強い左足で蹴り始める。もちろん転ぶ。転んでも、何とか工夫して強いシュートを打ちたいと思う。そこまで来ると、ハンディを意識しないで足を使っている。シュートが決まったとき、その子にとってその経験は生涯の宝物になるのだ。」
  今井さんには先輩、後輩、そして親身に子どもたちと精一杯過ごしたリーダーのことなど、たくさんのエピソードを伺った。長年のご尽力に、心から感謝申し上げたい。YMCA活動に一貫している原則とは、一人ひとりの心に向かい合うことだ。心の求めるものや未熟であるところに寄り添って、キャンプ生活を送りスポーツの練習をする。たくさんの子どもたちや若きリーダーを指導されてきた今井さんの「YMCAに就職したのではない。献身してきた。」という言葉に、さらにYMCAへの信頼を深くした。


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10.フォトトピックス 2005年 夏のアルバム

7/4 エイズフォーラム
7/22〜23 アクティブキッズイングリッシュキャンプ 専門学校フィットネス&スポーツ学科
海洋実習
 
8/8〜11 五右衛門キャンプ    
 
兵庫県少年少女海外スクール
中国(天津・北京) 7/29〜8/4
7/31〜8/3 日米親善バスケット  

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11. キャラクターディベロプメントシリーズ13




CARING 「みんなで楽しいスポーツの秋」の巻


 

 

 

 


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12. ゴスペル&パイプオルガン 平和を実現するコンサート

国際協力!HIV/AIDSに向き合うために

ゴスペル&パイプオルガン 平和を実現するコンサート

川上盾牧師と神戸マスクワイアー(ゴスペルコーラス)
能島 亜未(神戸栄光教会オルガニスト)

日   時:9月24日(土) 13:00〜14:30 (開場12:30)
会   場:日本キリスト教団 神戸栄光教会
入 場 料:前売\1,000 当日¥1,500
問い合わせ・申込: 神戸YMCA国際・奉仕センター(事務局)
TEL:078-241-7201 FAX:078-241-7479 e-mail:info@kobeymca.or.jp

主   催:平和を実現するコンサート実行委員会


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13. 第13回チャリティーゴルフのご案内

日 時:10月13日(木)
場 所:吉川カントリー倶楽部  兵庫県美嚢郡吉川米田
参加費:¥20,000
問い合わせ:神戸YMCAカレッジ 担当 功力・井上  078−241−7204


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