神戸YMCAヨットクラブ所属 片岡功さん
―ヨットを始められたきっかけは何ですか。
スキーをいっしょにした中村治人(故人)さんに夏でもできるスポーツとして紹介されました。自分がヨットを所有しなくてもできるクラブをとの思いでクラブに入会しました。
―ヨットの楽しさは何ですか。
いつも同じでなく、たえず天候の変化や波潮の変化が味わえる日々新鮮な楽しいスポーツです。そしてヨットや艇庫等のメンテナンスあり、食事作りやメンバーとの語らいありの生活全てが含まれるエンドレスなスポーツです。
―どうしてYMCAでヨットを続けておられるのですか。
40年前の遭難事故で2名の尊い命を失いました。その時はもうやめようとも思いましたが、やめても何も生まれない。そのメンバーのためにも自分が安全で無事故のためのルール作り、リーダー養成をし、ヨットの楽しさを伝えていこうと思い直しました。その後台風に遭い艇庫やヨットの全てを失ったり、35年前にクルーザーの建造に550万円ものお金を集めたりしました。また2年前西宮ヨットハーバーへ移転し、第3の新しい艇庫の建設も行ってきました。このように幾たびもの困難を乗り越え現在のヨットクラブがあります。今後は若い層のメンバー増員を目標に、リーダー育成やハード面の推進等に私の経験を生かしてゆきたいと考えています。
―YMCAのヨットクラブで伝えてゆきたいことは何ですか。
環境や職業、年齢もちがうメンバーゆえYMCAのスピリットを基本理念として「信頼」「友愛」「奉仕」を伝えてゆきたい。またヨットスポーツの普及、海事知識の向上、クラブ財政の健全化を目標にしています。
―1日のクラブ活動の流れを教えて下さい。
9時に集合し、小型艇、大型艇各セクションに分かれ西宮沖で練習し、16時に帰港。
毎月クラブ例会は讃美歌292番「信頼」で始まり、キャプテンを中心にその時々のクラブ運営を討議しています。
―試合や遠征にも行かれますか?
はい。試合は主に小型艇中心にシーズンでは月1回のポイントレース他、様々なレースに参加し、関西水域上位入賞を果たしています。
クルーザー「タリホー」は船歴30年の木造船でレース出場は難しくなっていますが、毎年5月の連休には瀬戸内海、紀伊水道、四国一周の遠征も経験しております。最近、漁港に寄ったときに行く銭湯が少なくなって困っています。
―今年ヨットクラブ50周年を迎えられますが、どのように感じられますか。
50年間で1000人近いOB・OGを送りだしましたが、彼らの顔が思い浮かび、その語らいも昨日のように感じられ、長いようで短いヨットクラブ人生を感じます。また、鬼籍に入られたOB・OGの方々の冥福をお祈りしています。
インタビューを終えて)お話を伺い、50年のヨットクラブの歴史の重みをひしひしと感じました。また、「その苦労・つらさも含めて楽しい思い出」と語る日に焼けた片岡さんは、YMCAのヨットマンとしてきりっとかっこよく、印象的でした。今後ますますのヨットクラブの発展を期待しています。
(聞き手、神戸青年編集部)
YMCAヨットクラブとは
1954年に作られ今年50周年を迎える歴史あるクラブ。25歳から72歳までの社会人男女約50人が土曜日・日曜日・祝日を中心に活動中。新西宮ヨットハーバーにクルーザー(4〜12人乗り)3艇、小型艇(2人乗)5艇、救助艇1艇、クラブハウスを所有。連絡先:0798-36-8386(日祝のみ)
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