一、ユースフォーラムの目的
第16回アジア太平洋同盟(APAY)総会に先立って3月8,9日に延べ18ヶ国、約90人を集めシンガポールで開催された。今回は日本から18名、神戸からは3名の若者たちとスタッフの小紫さんが「若者がともに世界を変えるために」というテーマの下に集った。このフォーラムはAPAYの加盟国の若者に、「明日のリーダーではなく今日のリーダーになる」機会を与えるために次のような目的を持ち、4年ごとに開かれている。
(1)公正で平和な社会を作り出すために、どのように社会変革できるか協議する。
(2)アジアの現実を分かち合い、共通の問題に焦点をあて、自分たちの役割を探る。
(3)これからの4年間の行動計画をまとめ、総会に提案する。
言葉の壁を超え問題を共有し友情を深めた。フォーラム後の総会では若者たちが、多くのプログラムに積極的に取り組み、ユースパワーがYMCAの原動力であることを証明した。(本会理事長・アジア太平洋同盟常務委員 武田寿子)
二、ユースフォーラムの概要
シンガポール・メトロYMCAにて開催されたユース・フォーラムでは、3日間集中して情報交換・協議・講演・礼拝・交流プログラムが行われた。
若者に関連した国レベルでの課題、YMCAの取り組み、そしてYMCA運動が直面している問題や課題を、ワークショップ、レポート、ドラマ、ディスカッションなどを通してシェアし、最後に宣言文という形でまとめ、今後の行動指針とした。
東アジア地域でシェアした共通の課題は、過去のフォーラムでも取り上げられた「若者の失業と教育の問題」「HIV/AIDSの問題」。これらの問題に加えてアジア太平洋地域で「平和の構築と和解」「経済の不公正」に対しYMCAがどう取り組むか、今後の行動の方向性について再確認する必要性を示した。
引き続き開催された第 回アジア太平洋YMCA大会では、「正義ある平和への変革の精神性」をテーマに、延べ27ヶ国約300名のYMCA関係者が集い、礼拝、講演、ディスカッション、評議会、各国の実践報告がなされた。正義ある平和を構築するためには、積極的な市民社会への参加、苦しんでいる人や虐げられている人と共に歩んで行くこと、そして他の地域とのネットワーク作りを促し開発することが必要であると再確認した。
一連のフォーラム・大会を通じて、YMCAの中で若者のリーダーシップがより発揮できるよう、ネットワークの構築などいくつかの重要な取り決めがなされた。(神戸YMCA職員 小紫富久枝)
アジア太平洋YMCAユースフォーラム宣言文
Young People, Together toward a Transformed
World
「変革された世界に向けて若者たち集まろう」
Be the change you want to see in the world
「世界中であなたがたが思い描く変革よ起きよ」 |
三、ユースによる感想
今回、このように多くの国の人と意見を交わせる機会が持てたことを、心から感謝しています。各国、各地域の抱える問題を共有できたこと、特にユースフォーラムで、若者の考えていることを、お互い確認できたことは、非常にいい経験になりました。国際的な問題を前にした時、自分達に一体何が出来るのかと不安になることもありますが、アジア各国に、同じように考え、活動している友人がいるということが分かり、これからの活動の支えになっていくと思います。(毛利有紀子)
大会では英語の能力の問題もありましたが、何年かに一度でも、同じ世代の若者が、ひとつの場所に集まってお互いの国、考え、活動を共有する場を持っていることに感銘を受けました。それはYMCAの精神に則った、同じ理念、同じ想いをもってそれぞれの国で活動しているということ。今回の大会ではそれが一番印象に残りました。これからの活動で、「YMCA」というもののとらえ方が変わっていきそうです。世界に目を向けつつ、YMCAでの活動ができそうです。(中野卓磨)
同年代の仲間としてユースが集まり話す機会を持つことの重要性を改めて実感した大会でした。アジア太平洋地域の多様な国や地域から集まった私たち若者が、同じ目標に向かって個々の現状とそれらに対する取り組み、そして今後の課題を共有することは勇気づけられる経験でもありました。これからの私たち若者そしてYMCA全体に課された宿題の一つは、今回大会で挙げられた様々な課題項目をずっと課題のままにしておかないことでしょう。(葉名利栄子)
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ワークショップのひとこま |
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